グロービッシュとは、最低限の英単語(約1500語)だけを駆使して「伝わること」を最重視して最短で英会話能力を身につけるという学習法です。
最短で必要最低限の英会話能力を身につけるという意味では、優れた学習法(というか戦略?)ということができるでしょう。
これから海外出張がひかえている人などにとっては、最適な方法と言えるかもしれません。
ただ、グロービッシュを実際に運用していて「通じない」と感じるケースも多々あります。
このブログ記事では、グロービッシュが伝わらない・通じないと感じる場合によくある原因と、対処法を紹介します。
グロービッシュが通じない原因とは?
↓グロービッシュが通じない場合に考えられる原因として、以下のようなことが挙げられます。
- 1500単語ではさすがに語彙(英単語)が少なすぎる
- 慣用句の知識が足りなすぎて文意を理解できないシーンが多い
- ネイティブには不自然に聞こえる
- ある地域で当たり前に使われる言葉を知らない
- リスニング力が不足しがち
- 英語脳(英語で考える力)が不足しがち
- 発音が不自然になりがち
それぞれの原因理由について、順番に見ていきましょう。
1500単語ではさすがに語彙(英単語)が少なすぎる
最大の問題はどうしてもこれです。
1500単語でコミュニケーションを図るグロービッシュで表現できる内容は、非常に限られています。
ビジネスシーンや専門的な会話では、より多くの単語が必要です。
たとえば、ネイティブスピーカーとの会話で使われる「慣用句」やスラングは、1500単語には含まれていません。
そのため、文意を理解できない場面が出てくることもあります。
文意が理解できなければ、残念ながら会話は成立しません。
グロービッシュは英語学習のファーストステップとして有効ですが、より深いコミュニケーションを望むなら、語彙を増やし続ける努力は絶対に必要です。
慣用句の知識が足りなすぎて文意を理解できないシーンが多い
日本語にことわざや四字熟語があるように、英語にも独特の表現(慣用句)があります。
例えば、英語の「kick the bucket」は「死ぬ」という意味の慣用句ですが、直訳すると「バケツを蹴る」となり、意味が通じません。
このような慣用句は、ネイティブスピーカーにとっては日常的な表現です。
グロービッシュの1500単語に慣用句が含まれていないため、ネイティブの会話を完全に理解するのは難しいことがあります。
ビジネスシーンや日常会話で慣用句が多用されるため、これらの表現を学ぶことは、コミュニケーションの質を向上させる鍵となります。
慣用句を覚えることで、会話の流れをスムーズにし、誤解を避けることができるでしょう。
ネイティブには不自然に聞こえる(そもそもグロービッシュを知らない)
グロービッシュは、非ネイティブ同士のコミュニケーションを円滑にするために考案されたものですが、ネイティブスピーカーには不自然に聞こえることが多いです。
そもそも、ネイティブが「グロービッシュ」という概念を知らないことがほとんどでしょう。
彼らは通常、より豊富な語彙と複雑な文法を使って会話をします。
そのため、1500語に制限されたグロービッシュの表現は、単調で単純すぎると感じられることがあります。
ある地域で当たり前に使われる言葉を知らない
ある地域で当たり前に使われる言葉を知らないと、グロービッシュが通じない原因の一つになります。
地域ごとに異なる「スラング」や表現が存在し、これらが理解できないと会話がスムーズに進まないことがあります。
例えば、アメリカ英語とイギリス英語では同じ単語でも異なる意味を持つことがあるため、注意が必要です。
さらに、文化的な背景や習慣に根ざした表現も多く、これが理解の障害となることもあります。
対策としては現地の「メディア」や「映画」などを利用して、日常的な表現を学ぶことが有効ですが、これにはある程度の学習期間が必要になります。
グロービッシュの限界を補完し、より効果的なコミュニケーションを図るという意識が必要です。
リスニング力が不足しがち
リスニング力が不足しがちな理由は、グロービッシュの特性にあります。
グロービッシュは1500単語で構成されており、簡単な会話を可能にしますが、ネイティブスピーカーの流暢な会話を理解するには不十分です。
このため、ネイティブの話すスピードやアクセントに慣れていないと、会話の内容を把握するのが難しいことがあります。
また、グロービッシュはあくまで最小限のコミュニケーションを目的としているため、深い理解を求める場面では限界を感じることが多いです。
さらに、リスニング力を向上させるためには、様々なアクセントやスピードに慣れる必要があります。
英語脳(英語で考える力)が不足しがち
英語でのコミュニケーションをスムーズに行うためには、英語で考えて英語で表現するという思考回路(これは「英語脳」と言われることが多いです)を身につける必要があります。
英語の翻訳作業であれば、日本語で考えて英語に翻訳するという思考回路でも問題はありませんが、英会話になるとこれではスピードが遅すぎます。
グロービッシュではこうした「英語脳」を身につけるというプロセスは意識されていないため、どうしても翻訳型の思考回路になりがちです。
発音が不自然になりがち
グロービッシュを使う際、発音が不自然だと感じることがあります。
これは、英語の「音声パターン」に慣れていないことが一因です。
例えば、アクセントやイントネーションが異なると、相手に誤解を与える可能性があります。
特に「ネイティブスピーカー」との会話では、発音の違いが顕著に現れることが多いです。
さらに、グロービッシュは「シンプルな発音」を重視するため、微妙な音の違いが伝わりにくくなることもあります。
グロービッシュは「英語学習のファーストステップ」と位置付けよう
グロービッシュは、英語学習の最初のステップとしては最適です。
↓その理由としては以下の4つ。
- 自分の英語がなんとか通じてる!という体験は重要
- 語彙(英単語・慣用句)をどんどん増やしていこう
- リスニング力を鍛えよう
- 発音・発話を鍛えよう
こちらも順番に見ていきましょう。
自分の英語がなんとか通じてる!という体験は重要
英語がなんとか通じる体験は、学習者にとって大きな自信となります。
この成功体験は、さらなる学習意欲を引き出す重要な要素です。
グロービッシュを使うことで、最低限の語彙でも意思疎通が可能となり、実際に「通じた!」という感動を味わうことができます。
特に、海外出張や旅行先でのコミュニケーションにおいて、このような体験は非常に貴重です。
英語が通じると感じることで、英語学習への心理的ハードルが下がり、次のステップへ進む原動力となります。
さらに、相手の反応を直接見ることができるため、実践的なコミュニケーション能力の向上にもつながります。
このような経験を積み重ねることで、グロービッシュから始めた英語学習が、より広範囲な語彙や表現力の向上へとつながっていくのです。
語彙(英単語・慣用句)をどんどん増やしていこう
語彙を増やすことは、グロービッシュの限界を超えるための重要なステップです。
1500語の制限があるため、より多くの「英単語」や「慣用句」を学ぶことで、コミュニケーションの幅が広がります。
例えば、ビジネスシーンでは専門用語が必要になることが多いため、それに対応できるようにすることが大切です。
また、文化的なニュアンスを理解するためには、言葉の背景を知ることも役立ちます。
語彙を増やすためには、読書や映画鑑賞、ポッドキャストを活用するのが効果的です。
これにより、自然な文脈で新しい言葉を学ぶことができ、記憶にも残りやすくなります。
さらに、学んだ語彙を実際に使うことで、記憶が定着しやすくなります。
英語を話す機会を増やし、実践を通じて語彙力を高めていきましょう。
リスニング力を鍛えよう
リスニング力を鍛えることは、グロービッシュを効果的に活用するために非常に重要です。
まず、日常会話やビジネスシーンでよく使われるフレーズを耳に馴染ませることが大切です。
映画やドラマ、ポッドキャストなどを活用し、ネイティブスピーカーの発音やイントネーションに慣れましょう。
また、スクリプトを見ながら聞くことで、聞き取れない部分を確認しながら学習することができます。
さらに、シャドーイングという練習法も効果的です。
これは、聞こえてきた音声をすぐに真似て発音する方法で、発音とリスニング力を同時に鍛えることができます。
最後に、リスニング力を向上させるためには、継続的な練習が不可欠です。
少しずつでも毎日英語に触れる時間を作ることで、自然と耳が慣れてきます。
これらの方法を取り入れて、リスニング力を高め、グロービッシュでのコミュニケーションをスムーズにしましょう。
発音・発話を鍛えよう
グロービッシュを話す際、発音と発話のスキルを鍛えることは非常に重要です。
発音が不自然だと、相手に意図が伝わりにくくなることがあります。
特に、ネイティブスピーカーと話す場合には、彼らが慣れていない発音が「通じない」原因となることも少なくありません。
発音を改善するためには、音声学習アプリやオンラインコースを活用して、ネイティブの発音を真似る練習を行うと良いでしょう。
また、発話力を向上させるためには、実際に声に出して練習することが大切です。
シャドーイングという方法を取り入れると、自然なイントネーションやリズムを身につけることができます。
これにより、グロービッシュの限界を超え、よりスムーズなコミュニケーションが可能になるでしょう。
発音と発話のスキルを磨くことで、自信を持って英語を話せるようになります。
そもそもグロービッシュとは?どんなメリットがある?
グロービッシュは、限られた語彙で効率的にコミュニケーションを取る方法です。
これにより、英語に対する心理的なハードルを低くし、実践的な会話力を身につけることができます。
↓グロービッシュの具体的なメリットとしては、以下のようなことがあります。
- 最低限の語彙(1500単語)だけでコミュニケーションを成立させられる
- 相手(ネイティブ)の会話を引き出し、自分は聞き手に回るという戦略
- 英語で話すことへの心理的なハードルがグッと下がる
- 海外出張など、最短で「英語で最低限の意思疎通ができる状態」を作る必要がある人向けの戦略
以下では、それぞれの内容について詳しく説明していきます。
最低限の語彙(1500単語)だけでコミュニケーションを成立させられる
グロービッシュは、1500の基本的な単語を用いてコミュニケーションを図る方法として注目されています。
この手法は、英語を母語としない人々にとって、効率的に意思疎通を図るための「最小限の語彙」を提供します。
しかし、時には「通じない」と感じる場面もあります。
特に、ビジネスシーンや専門的な会話では、語彙の制限が原因で、細かいニュアンスを伝えきれないことがあるのです。
また、ネイティブスピーカーはグロービッシュを知らないことが多く、不自然に感じることもあるでしょう。
こうした場面では、相手の話を引き出し、自分は聞き手に回ることで、コミュニケーションを円滑に進める戦略が求められます。
グロービッシュは、英語学習の第一歩として有効ですが、さらなる語彙の拡充や発音の練習を通じて、より深いコミュニケーション能力を身につけることが重要です。
相手(ネイティブ)の会話を引き出し、自分は聞き手に回るという戦略
相手(ネイティブ)の会話を引き出し、自分は聞き手に回るという戦略は、特に「グロービッシュ」でのコミュニケーションにおいて重要です。
ネイティブスピーカーとの会話では、聞き手に回ることで相手の意図やニュアンスをより深く理解することができます。
これにより、限られた語彙でも効果的に意思疎通が可能になります。
また、相手が話す内容を引き出すことで、自然な流れで会話が進み、相手に「興味を持っている」という印象を与えることができます。
この戦略は、特にビジネスシーンでの会話や交渉において有効です。
聞き手に徹することで、相手のニーズや要望を正確に把握し、それに応じた適切な対応が可能となります。
こうしたスキルは、グロービッシュを超えて一般的な英語コミュニケーションにも役立つため、実践的な英語力を磨く上で非常に有効です。
英語で話すことへの心理的なハードルがグッと下がる
英語を話すことへの心理的なハードルが下がる理由の一つは、グロービッシュの特性にあります。
グロービッシュは1500語の限られた語彙を使用するため、初心者でも「英語での会話に挑戦しやすい」環境を提供します。
この制限された語彙は、複雑な文法や難しい単語を避けることで、英会話への不安を軽減します。
さらに、相手の話を引き出すことを重視するため、自分が話すことに対するプレッシャーが減り、聞く姿勢を身につけやすくなります。
これにより、実際に英語を使う場面での「心理的な負担が軽く」なり、英語を使うことへの抵抗感が徐々に薄れていくのです。
特にビジネスシーンや海外出張で、最低限の意思疎通を求められる場面では、グロービッシュのアプローチが非常に有用です。
海外出張など、最短で「英語で最低限の意思疎通ができる状態」を作る必要がある人向けの戦略
海外出張などで「英語で最低限の意思疎通ができる状態」を最短で作るためには、実用的な戦略が必要です。
まず、グロービッシュを活用することが一つの手段です。
グロービッシュは1500単語の基本語彙を使用し、簡単な文法でコミュニケーションを図ります。
これにより、短期間での会話力向上が期待できるのです。
また、ネイティブとの会話では、相手の話を引き出し、自分は聞き手に回ることで、コミュニケーションを円滑に進めることができます。
さらに、心理的なハードルを下げるために、英語を話す機会を増やし、失敗を恐れずに積極的に話す姿勢を持つことが大切です。
このようなアプローチにより、短期間で英語での意思疎通が可能な状態を実現できるでしょう。
まとめ
グロービッシュが通じない理由には、語彙の不足や発音の問題などがあります。
しかし、これらの課題には語彙を増やすことや発音を練習することで解決可能です。
グロービッシュを学びながら、リスニングや発話力も向上させて、英語力を次のステップに進めましょう。